2019年4月13日土曜日

ハンナ

感情を持たずに、感情を持たない人を育てることができるだろうか。

Hanna


監督:ジョー・ライト
出演:シアーシャ・ローナン
   エリック・バナ
   ケイト・ブランシェット

あらすじ


フィンランドの森の中で、元CIA工作員の父エリックと暮らすハンナは、銃の扱いや格闘技だけでなく、生き残るためのあらゆる技術と知識を叩き込まれた。
16歳になったハンナは、父エリックをも凌ぐ能力を身に着け、外の世界に戻ることを決心する
それは、彼らを負うCIAエージェント・マリッサとの「殺すか。殺されるか。」の戦いを意味していた
CIAや殺し屋との死闘を繰り広げる中、ハンナ自身の出生の秘密が、徐々に明らかになっていく。
エリックは、実父なのか?一体、自分は何者なのか?

中央:シアーシャ・ローナン

感じたこと


ハンナの外見は、どちらかというと華奢で、背も高くはなく、どこにでもいそうな普通の女の子だ

アニメのキャラクターのように、ダイナマイト・ボディではないし、逞しく、強靭な肉体というわけでもない。

だから、雪深いフィンランドの森の中で、トナカイを運べるほどの体力があるとは思えない。

つまり、全く逆の意味で、現実離れしており、冷徹な殺し屋というよりは、たびたび登場する「グリム童話」というワードも重なって、まるで、おとぎ話のヒロインのようだ。

例えば、砂漠の地下施設から逃亡するシーンでは、”腹這い”ではなく、”四つん這い”。 

それは、この映画が、ただのスパイ・アクションではないことを、端的に表現している

感情のない残酷なはずの決め台詞「心臓、外しちゃった。」も、単純にかわいい

また、白人特有かもしれないが、真っ白な肌と金色の髪というのは、光の当たり方だけで、全く異なる印象を見せるものだ。

グリムの家で、交互に光る2色のライトは、16歳の少女の恐怖と、殺し屋としての狂気の表情を、見事に映し出す。

一方、マリッサを演じたケイト・ブランシェットも印象深い

計画が中止された理由、エリックやハンナの母親との過去の人間関係など、具体的な事は、一切、明らかにされない。

そのため、マリッサの心理状態が解らず、その狂気に満ちた表情が、一段と神秘的な美しさを漂わせるのだ。

細部の設定に疑問は残るかもしれないが、そのアイディア、世界観、スピード感は、十分に楽しめる。

そして何より、シアーシャ・ローナンの躍動とケイト・ブランシェットの美貌は、この映画の見る価値を高めている

ちなみに、この手の映画は、パート2があっても、見てしまいそうだ。


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