人類を救うのは愛なのか、それとも、エゴなのか。
Interstellar
監督:クリストファー・ノーラン
出演:マシュー・マコノヒー
アン・ハサウェイ
ジェシカ・チャステイン
マット・デイモン
あらすじ
大規模な砂嵐が発生するなど、地球環境が悪化し、食糧難に見舞われた近未来。
人類は、戦争することさえやめて、農業を中心とした体制にシフトしていた。
元パイロット兼エンジニアのクーパーは、妻を亡くし、希望のない未来に、半ば諦めかけていた。
そんな中、娘マーフの部屋の本棚で発生した”重力のいたずら”に導かれ、クーパーは、NASAのラザロ計画に参加することを決意する。
人類を救うという大義のもと、引き止めるマーフを地球に残して、宇宙へと旅立つのだが…
感じたこと
相対性理論によると、惑星の重力によって、時間の経過が異なる。
そのため、たった数時間のミッションにより、地球上では23年の年月が過ぎ去ってしまう。
地球から送られてきた成長した子供たちの映像を見て、戸惑うクーパー。
私たち鑑賞者は、クーパーと子供たちの時間を超越しており、クーパーの心理を必要以上に慮ってしまうが、彼は、本当に状況を整理して受け入れることができているのだろうか。
人って、そんなに物分かりの良いものなんだろうか。
アメリア・ブラント博士のセリフ。
「愛には特別な意味がある。…10年も会っていない人に、銀河を超えて、引き寄せられている。…」
科学では、事実は明らかにできても、その意味までは解らない。
科学の土台となるのは、哲学であり、宗教なんだと、改めて感じる。
ラザロ計画は、人類の『約束の地』を求めている。
クーパーと最も弱く人間的なマン博士は、まるでイエス・キリストと裏切り者ユダのように思われるし、選ばれたマーフは、預言者で、選んだ五次元人は、時空を超えた存在。それは、まさにGODなのだ。
ちなみに、ワームホール、ブラックホール、高次元など、科学的知識の乏しい私には、理解が困難な面もあるが、映画の冒頭に感じる疑問点については、後半に、伏線が回収されるため、モヤモヤとした印象は残らない。
それより、世界中が、戦争を放棄するほどの状況、その世界観が面白い。
クーパーに送られた記録映像からも、地球に残された人々の23年という歳月、そして、その選択に、強い興味が湧いてしまう。
本来SFは、矛盾を指摘するものではなく、可能性を楽しむものだと思う。
やっぱり私は、SFを純粋に楽しめていないみたいだ。

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