2019年9月28日土曜日

あしたは最高のはじまり

この先に「最高」はあるのだろうか。

Demain Tout Commence


監督:ユーゴ・ジェラン
出演:オマール・シー
   グロリア・コルストン
   クレマンス・ポエジー
   アントワーヌ・ベルトラン

あらすじ


南フランスのビーチで、観光客相手の小型船の操縦などをしながら、気ままな暮らしをしているサミュエル。
ある日、以前、一夜を共にしたクリスティンが突然現れ、赤ん坊のグロリアを置いて、失踪してしまう
本当に自分の子なのかもわからないサミュエルは、慌てて、クリスティンを追ってロンドンへ向かう。
手がかりもなく、言葉も通じず、途方にくれたサミュエルは、地下鉄で知り合ったゲイのベルニーを頼ることに…
8年後、ベルニーの協力もあり、成長したグロリアとともに、幸せな日々を過ごすサミュエルであったが、失踪した母親のことは、伝えられずにいた。

中央:オマール・シー

感じたこと


本来、悲劇でもある、この映画は、”捨てられた赤ちゃん”映画によくあるように、幼い子供の無邪気な笑顔に、自然と前向きな気持ちにさせてもらえる、ありきたりだが、とても素敵な映画だ

父親だけで育てるのは困難な、0歳から8歳まではダイジェスト。

言葉の通じないロンドンでの暮らしやスタントマンとしての苦労話もない。

グロリアの病気や治療についても、深く掘り下げないし、泥沼の裁判もあっさりと終って、母親が娘を捨てた原因も、娘を取り戻したいと願う心境の変化もよく解らない。


ただ、本当に、そんなことはどうでもいいのだろう

パーティ三昧の無責任なプレイボーイと、親になれるとは思ってもいなかったであろうゲイの2人が、父親としての苦労と喜びを感じたという事実。 

そして、グロリアから生き続ける勇気をもらったという認識は、とても強く伝わってくるのだから。

いずれ、子供は、大人になってしまう。

どちらにしろ、別れの瞬間は訪れるわけだが、その後も、残された人達の人生は続いていく

原題は、フランスの哲学者、ガストン・バシュラールの言葉で、「明日は、新しい一日」という意味だそうだ。

日々、リセットを繰り返す勇気が、絶望することなく、人生を続ける、一番の秘訣なのかもしれない




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