私たちは、本当に現実の世界を生きているのだろうか。
The Woman in the Fifth
監督:パヴェウ・パヴリコフスキ
出演:イーサン・ホーク
クリスティン・スコット・トーマス
あらすじ
アメリカ人作家のトムは、別れた妻子とやり直すため、パリを訪れる。
しかし、トムには妻子への接近禁止令が出されており、突然の訪問で警察に通報されてしまう。
慌てて逃げ出したトムは、飛び乗ったバスで居眠りをしている隙に、荷物を盗まれてしまい、場末の簡易ホテルに流れ着く。
それでもトムは、娘との接触を試みるが上手くいかず、未亡人マーギットと出会い、いつしかパリでの異常な生活から抜け出せなくなってしまう。
感じたこと
人は、理性的な生き物である以上、真実を知りたくなる。
ひとつひとつの謎を、全て解き明かしたくなる。
マーギットは幻想なのか?
地下施設の目的は何か?扉を叩いて脅したのは誰なのか?
隣人を殺したのは誰なのか?
娘を連れ去ったのは誰なのか?
もっと深く考えれば、
なぜ、マーギットは、トムを選んだのか?
ポーランド人の女神は、どこまで知っていたのか?
原題にある「第5の女」とは何を意味するのか?
ただ、主人公のトムは、神経衰弱。
そもそも物語は、ある意味、異常な視点を描いていて、幻想と現実の明確な区別はない。
この映画に、晴れた空の映像はない。あるのは、暗闇。
おそらく、隣人を殺したのも、娘を連れ去ったのも、トムであろう。
そして、最後に、光に包まれた彼は、現実から解放され、マーギットとの永遠(死)を迎えたのだろう。
ただ、これも一つの解釈。多くの謎は、謎のままだ。
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