罪の意識がない人にも、罰って効果があるのだろうか。
The Machinist
監督:ブラッド・アンダーソン
出演:クリスチャン・ベール
ジェニファー・ジェイソン・リー
アイタナ・サンチェス=ギヨン
あらすじ
機械工のトレバーは、1年前から不眠症に悩まされていて、今では、病的にやせ細っている。
そのため、上司には、薬物の使用を疑われるほどであった。
眠れぬ夜の彼の心の拠り所は、娼婦のスティービーとコーヒーショップのウェイトレス、マリア。
そんなある日、一人、工場の駐車場で休憩を取り、ようやく眠りに誘われた時、それを邪魔するように、アイバンという奇妙な男が現れる。
アイバンの出現をキッカケに、周囲で不可解な出来事が連続するようになり、トレバーは、次第に追い込まれていく。
果たして、それらは現実なのか、それとも幻想なのか…
果たして、それらは現実なのか、それとも幻想なのか…
感じたこと
この映画は、心と体を別のものと考える二元論とは、反対の立場に立っていると考えられる。
主人公のトレバーは、過去の出来事を忘れるために、不眠症となり、極度に体重が減少するという肉体的な代償を払うのだ。
クリスチャン・ベールの完璧な役作りに圧倒され、トレバーの悲劇的な面だけが強調されてしまうが、本当の被害者は、事故死したであろう少年であり、その母親だ。
事故を起こす前のトレバーを想像してみよう。
・眠れない夜に、自宅で読んでいるのは、ドストエフスキーの『白痴』。
・自分の責任で片腕を失った同僚が、自分を陥れようとしているという被害者意識。
・自身を支える、同じく孤独な娼婦スティービーを罵る、自分勝手で傲慢な態度。
・理想のウェイトレスと淡い恋に落ちるという想像。(つまり、少年の母親から、”許し”を得られるという勝手な解釈。)
罪悪感に苦しみ、眠れない夜を過ごしていても、一概に、彼を善良な人だと言うことはできない。
しかしながら、多少、自己愛が強くとも、罪悪感を回避するために、反社会的にもなりきれずに不眠症に苦しむ彼を、誰が責めることができるだろうか。
アイバンに促されて自首したトレバーは、留置場で、ようやく深い眠りにつくことができる。
ただ、彼の本当の”償い”は、目覚めた後に始まるのだ。

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