17歳の頃の私は、一体、何をしていたのだろう。
Winter's Bone
監督:デブラ・グラニック
出演:ジェニファー・ローレンス
ジョン・ホークス
シェリル・リー
ギャレット・ディラハント
あらすじ
ミズーリ州南部のオザーク。
精神を病んだ母親と幼い弟妹の4人で暮らすリーは、17歳。
高校にも行かずに、家族を支えている。
ある日、麻薬の密造で逮捕されていた父親が保釈され、その後、失踪していることを保安官に知らされる。
父親は、家と土地を保釈金の担保にしていたため、来週の裁判に現れないと、住む家を失ってしまうのだ。
リーは、家族を守るために父親捜しを始めるが、村の人は、誰も協力しないどころか、何かを隠している。
感じたこと
ミズーリ州の山間部に暮らすリー・ドリーは、気が強く、逞しい少女だが、閉塞された村社会を出て、生きていく力はない。
この物語は、白人貧困層であるヒルビリーの社会を背景に描かれている。
ヒルビリーとは、最近ではカントリーミュージックの一種と訳されるが、元々は、アパラチア山脈周辺に住むレッドネック(首筋が赤く日焼けしている白人)のことだ。
リーが生まれ育った狭く閉ざされた社会は、憲法でも、法律でもなく、ヒルビリーの”掟”によって、守られている。また、同時に”掟”によって、生活が縛られている。
そのため彼女は、警察を頼ることもなく、一週間以内に、父の死を証明しなければならないのだ。
17歳の少女にとっては、なんて過酷な試練だろう。
リーが、この村社会を抜け出す方法。それは、米軍への入隊だけである。
この映画に登場する唯一まともな大人は、米軍の面接官。
「覚悟を決めて、家に残るべきだ。」と言うのだが、今日、食べるものに困っている少女には、何の役にも立たない助言だ。
人間は、自らの意志によって、社会に参加するのが理想と言えるだろう。
ただ、個人に開かれた社会は、極めて限定されている。
私たちは、それぞれ違ったスタートラインに立たされるのだ。
ディズニーチャンネルばかり見ている日本の子供たちは、絶対に見てほしい。
ニューヨークやロサンゼルスだけが、アメリカではないのだ。
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