2019年6月29日土曜日

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う

悲劇と喜劇の境目って何処だろう。

Demolition


監督:ジャン=マルク・ヴァレ
出演:ジェイク・ギレンホール
   ナオミ・ワッツ
   クリス・クーパー
   ジュダ・ルイス

あらすじ


多忙な毎日を送るエリート会社員のデイヴィスは、ある朝、通勤途中に交通事故に遭い、運転していた妻のジュリアが死んでしまう。
搬送された病院で、空腹のために、自動販売機でチョコレートを買おうとするのだが、機械の不具合で、商品が出てこない
腹が立ったジェイクは、ジュリアが死んだその日、家に帰ってすぐに、メンテナンス会社に長文の苦情の手紙を書くのだった
手紙を読んだメンテナンス会社に勤務するシングルマザーのカレンは、その内容に強い興味を持ち、深夜にジェイクの自宅に電話をしてしまう…

左:ジュダ・ルイス 右:ジェイク・ギレンホール


感じたこと


主人公のデイヴィスは、義父の経営する会社に勤務し、美しい妻と成功を手にしている

しかし、ある日突然、通勤途中に、妻を交通事故で亡くしてしまう。

自分で運転していたわけでもなく、自身はかすり傷一つない。

そのためか全く責任を感じることもなく、また、妻を失ったことを、「悲しみ」として受け入れることができない
。 

突然に訪れた不幸

でも、その後のデイヴィスの行動は、とてもコミカルだ

自動販売機のメンテナンス会社にクレームを入れたり、街中でひとり踊ってみたり、家にある冷蔵庫を分解
し、最後はブルドーザーで家ごと破壊してしまったり

邦題は、車のサンバイザーに貼られた付箋紙に書かれた妻の言葉。少しずつ心が離れてしまったことに気付き、涙を流すデイヴィス。

タイトルとしては、賛否両論あるだろうが、印象的なシーン、言葉だと思う。「私に気付いて。」「私を思い出して。」という意味だろうか。

妻を愛していなかったわけではないだろう。

ただ、毎日の生活の中で、妻を愛していることを忘れてしまっただけだ

思い出すために、何かを破壊する必要もあるのだろう。

それが他人から見てコミカルなのだ。

妻を愛していた頃の感情を取り戻し、再生したデイヴィスが、子供たちと笑顔で海辺を走るラストシーンが、とても素敵だ。


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