感情を持たずに、感情を持たない人を育てることができるだろうか。
Hanna
監督:ジョー・ライト
出演:シアーシャ・ローナン
エリック・バナ
ケイト・ブランシェット
あらすじ
感じたこと
ハンナの外見は、どちらかというと華奢で、背も高くはなく、どこにでもいそうな普通の女の子だ。
アニメのキャラクターのように、ダイナマイト・ボディではないし、逞しく、強靭な肉体というわけでもない。
だから、雪深いフィンランドの森の中で、トナカイを運べるほどの体力があるとは思えない。
つまり、全く逆の意味で、現実離れしており、冷徹な殺し屋というよりは、たびたび登場する「グリム童話」というワードも重なって、まるで、おとぎ話のヒロインのようだ。
例えば、砂漠の地下施設から逃亡するシーンでは、”腹這い”ではなく、”四つん這い”。
それは、この映画が、ただのスパイ・アクションではないことを、端的に表現している。
感情のない残酷なはずの決め台詞「心臓、外しちゃった。」も、単純にかわいい。
また、白人特有かもしれないが、真っ白な肌と金色の髪というのは、光の当たり方だけで、全く異なる印象を見せるものだ。
グリムの家で、交互に光る2色のライトは、16歳の少女の恐怖と、殺し屋としての狂気の表情を、見事に映し出す。
一方、マリッサを演じたケイト・ブランシェットも印象深い。
計画が中止された理由、エリックやハンナの母親との過去の人間関係など、具体的な事は、一切、明らかにされない。
そのため、マリッサの心理状態が解らず、その狂気に満ちた表情が、一段と神秘的な美しさを漂わせるのだ。
細部の設定に疑問は残るかもしれないが、そのアイディア、世界観、スピード感は、十分に楽しめる。
そして何より、シアーシャ・ローナンの躍動とケイト・ブランシェットの美貌は、この映画の見る価値を高めている。
ちなみに、この手の映画は、パート2があっても、見てしまいそうだ。

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