私たちは、成功を求めているのだろうか、それとも、自由を求めているのだろうか。
Chef
監督:ジョン・ファヴロー
出演:ジョン・ファヴロー
ソフィア・ベルガラ
ジョン・レグイザモ
スカーレット・ヨハンソン
オリヴァー・プラット
エムジェイ・アンソニー
ダスティン・ホフマン
ロバート・ダウニー・Jr
あらすじ
フレンチレストランで働くカール・キャスパーは、元妻に引き取られた息子を気遣いながらも、シェフとして、多忙な毎日を送っていた。
ある日、人気ブロガーの辛口料理評論家ラムジーが来店するとあって、気合が入っていたのだが、オーナーからは定番のメニューを出すよう指示され、ラムジーには、創造性のない料理を酷評されてしまう。
感情的になった彼は、店を辞め、ラムジーにも暴言を吐きまくる。
その様子をネットで拡散されたことから、新たな就職先も見つからず、途方にくれていたのだが、元妻イネズの計らいで、息子と3人、マイアミを訪れる。
そこで、久々に食べたキューバサンドイッチの味に感動したカールは、フードトラックでの移動販売に挑戦することを決意する。
感じたこと
主人公のカールは、自分がやりたいこと、作りたい料理によって、人をほんの少しでも笑顔にしたいと願っているが、と同時に、料理人としての成功を強く欲している。
そのため、カールに全面的に共感することはできない。
(もちろん、美人の恋人と元妻への嫉妬も大いにあるだろうが…)
欲望は、人によって違うが、人は自身の欲望を隠し切ることはできないし、誰かが、必ず、その欲望を見透かしている。
いい人とは、私にとって、いい人なのであり、私の欲望に沿う人なのだ。
この映画において、最も魅力的に感じる登場人物は、カールの部下であり、パートナーであり、友人でもあるマーティンで、間違いないだろう。
マーティンは、元ボスであるカールの人柄に惹かれ、職場での昇進を捨ててまで、無給で、フードトラックに協力する。
ただ、その立ち位置は、あくまで『自由』。
好き勝手に生きるのが『自由』ではなく、自分の決定と責任で生きることこそが『自由』。
マーティンは、人生を楽しむことを、自ら選んでいる。
もしも、私が選択を迫られたなら、一流のフレンチレストランではなく、潔くフードトラックを選びたい。
今更ながら、そんな男になりたいと思う。

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