携帯電話やスマホ、街中の監視カメラなど、私たちは、どこから、何を見られているのだろうか。
The Truman Show
監督:ピーター・ウィアー
出演:ジム・キャリー
エド・ハリス
ローラ・リニー
あらすじ
冒頭、TV制作者や役者へのインタビューにおいて、「トゥルーマン・ショー」が、いかに優れたTV番組であるかが語られる。
その後、隠しカメラなどの映像により、トゥルーマンの平凡だが心温まる日常が描き出される。
トゥルーマンは、保険会社に勤める明るい青年で、郊外に看護師の妻と暮らしている。
幼い時に、父が嵐の海で行方不明になったことから、生まれ育った島を出たことがない。
ある日、雑踏の中、ホームレスになった父と再会し、その父が瞬く間に、誰かに連れ去られてしまったことから、今まで、どことなく感じていた違和感が確信へと変わっていく。
この世界は、誰かに作られていると。
知らないのは、自分だけだと…
感じたこと
この映画は、管理社会、監視社会への風刺であるとともに、純粋な目で見れば、絶対的な父の支配への反抗、安全でリスクのない世界からの脱却を通じた一人の人間の成長の物語だ。
トゥルーマンの日常は、24時間、ほぼテレビ中継され続けていて、1970年代のホームコメディのように演出されている。
映画の中の視聴者は、安心して、その生活を覗き見ている。
視聴者にとってトゥルーマンは、決して裏切ることのない息子であり、友であり、恋人であり、隣人なのだ。
彼の人生は、現実であると同時に、演出されたフィクションでもある。
つまりTV制作者は、ある意味、「神の視点」で、彼の人生を計画している。
しかし、彼は、生身の人間なのだ。
全知全能である神が、私たち人間の行為の全てを把握していたとしても、私たちの生活は、現実の問題として、目の前にある。
私たちには、それぞれ秘密があり、それを誰にも知られたくないという思いと、それを守る権利があるはずだ。
そこで、ふと疑問に思う。私たちも、操られてはいないかと。
ちなみに、平凡な20代後半の男性の日常を見続けたい人などいないだろう。
見たいのは、トゥルーマンの日常。やはり彼は、スターなのだ。

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