2019年7月21日日曜日

恋するふたりの文学講座

大人なんていない。

Liberal Arts


監督:ジョシュ・ラドナー
出演:ジョシュ・ラドナー
   エリザベス・オルセン
   リチャード・ジェンキンス
   ザック・エフロン

あらすじ


ニューヨークで暮らす元文学青年のジェシーは、最近、恋人にフラれ、仕事もイマイチな冴えない大人である。
ある日、大学時代の恩師から、引退パーティの誘いを受け、久しぶりに母校のキャンパスへと向かう
そこで知り合った女子大生のジビーに、年甲斐もなく恋をし、キャンパスをうろつく不思議な青年ナットや躁鬱病の文学青年ディーン、学生の頃に憧れていた女性教授たちと交流を重ねる中で、ジェシーは、大人になり切れていない自分自身を、次第に見つめ直していく

中央:ジョシュ・ラドナー

感じたこと


この物語は、可能性に満ちたキャンパスライフを未だに忘れることができず、実社会に打ちのめされて挫折しそうな30代の中年男性と、年上の男性と付き合うことで、早く大人になろうとする19歳の女子大生との恋愛を中心に描かれている

主人公のジェシーは、自分がまだ大人になり切れていないと悩みながら、年の離れた大学生に恋心を抱いてしまう。 

今回のタイトルは、年老いて引退した元大学教授のセリフ

邦題は軽いが、案外、重い内容だ

大人とは、一体、何だろう。辞書によるところの「十分に成長した人」って誰だろう

考えてみれば、尊敬できる大人なんて、出会ったことがない。

風土記『津軽』において、太宰治は、「大人とは、裏切られた青年の姿である。」と表現している。

大人とは、情けないものなのだ。

だからこそ、ジェシーは、同じ趣味を持つ同世代のアナと結ばれる。

それは、決してロマンチックではないけれど、極めて自然な決断と言えるだろう

いつまでも、子供のように刺激だけを求めることは許されないのだ。


  にほんブログ村 映画ブログ おすすめ映画へ
にほんブログ村

2019年6月29日土曜日

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う

悲劇と喜劇の境目って何処だろう。

Demolition


監督:ジャン=マルク・ヴァレ
出演:ジェイク・ギレンホール
   ナオミ・ワッツ
   クリス・クーパー
   ジュダ・ルイス

あらすじ


多忙な毎日を送るエリート会社員のデイヴィスは、ある朝、通勤途中に交通事故に遭い、運転していた妻のジュリアが死んでしまう。
搬送された病院で、空腹のために、自動販売機でチョコレートを買おうとするのだが、機械の不具合で、商品が出てこない
腹が立ったジェイクは、ジュリアが死んだその日、家に帰ってすぐに、メンテナンス会社に長文の苦情の手紙を書くのだった
手紙を読んだメンテナンス会社に勤務するシングルマザーのカレンは、その内容に強い興味を持ち、深夜にジェイクの自宅に電話をしてしまう…

左:ジュダ・ルイス 右:ジェイク・ギレンホール


感じたこと


主人公のデイヴィスは、義父の経営する会社に勤務し、美しい妻と成功を手にしている

しかし、ある日突然、通勤途中に、妻を交通事故で亡くしてしまう。

自分で運転していたわけでもなく、自身はかすり傷一つない。

そのためか全く責任を感じることもなく、また、妻を失ったことを、「悲しみ」として受け入れることができない
。 

突然に訪れた不幸

でも、その後のデイヴィスの行動は、とてもコミカルだ

自動販売機のメンテナンス会社にクレームを入れたり、街中でひとり踊ってみたり、家にある冷蔵庫を分解
し、最後はブルドーザーで家ごと破壊してしまったり

邦題は、車のサンバイザーに貼られた付箋紙に書かれた妻の言葉。少しずつ心が離れてしまったことに気付き、涙を流すデイヴィス。

タイトルとしては、賛否両論あるだろうが、印象的なシーン、言葉だと思う。「私に気付いて。」「私を思い出して。」という意味だろうか。

妻を愛していなかったわけではないだろう。

ただ、毎日の生活の中で、妻を愛していることを忘れてしまっただけだ

思い出すために、何かを破壊する必要もあるのだろう。

それが他人から見てコミカルなのだ。

妻を愛していた頃の感情を取り戻し、再生したデイヴィスが、子供たちと笑顔で海辺を走るラストシーンが、とても素敵だ。


  にほんブログ村 映画ブログ おすすめ映画へ
にほんブログ村

あしたは最高のはじまり

この先に「最高」はあるのだろうか。 Demain Tout Commence ...